2018年度 本部会長方針

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日創研経営研究会 本部会長 田舞徳太郎
 

2018年度本部会長方針

原点回帰・経営革新のためにコア・コンピタンス経営を急げ
―ありがとう経営・真の80%黒字経営の実践―

 

昨年、皆様のお陰をもちまして、日本創造教育研究所が創業30周年を迎えることが出来ました。これもひとえに、各地会長・事務局長や会員の皆さん、そして日創研経営研究会の発展のためにお世話を頂いた本部役員や本部レクチャラーの皆さんのお陰と、心から感謝御礼申し上げます。
昨年もお伝えしましたが、日創研をここまでお育て頂いたのは、私の努力が5%。幹部や社員さんの努力が45%。そして皆様方のご支援が50%と、あくまでも皆様方のお陰であり、重ねてお礼を申し上げます。
私は24歳で起業して以来、すぐに東京に出て学び、様々な教育研修会社を見つめてきました。流行に乗って成功した会社も、世阿弥の風姿花伝にある「時分の花」を咲かせて終わり、真に「まことの花」を咲かせるに至らぬまま、市場から消えていったところもたくさんあります。

そうした姿を見つめてきただけに、全ての物事には「本末」があるということを実感しています。「本」とは企業経営の原点のことです。物の道理であり、これを見失った経営者が敗れていくのです。
「末」とは枝葉末節のことです。経営活動とは異なり、中小企業はこの「枝葉末節」の事ばかりに目を向けている限り、決して生き残ることは出来ません。全国大会in岡山では「覚悟~我、事において後悔をせず~」のテーマで学びましたが、自分の道は何なのか、本来の企業経営とは何か、一道に自分は賭けて生きているのか、その一道や理想の企業経営を成就するために、経営者や幹部としての「条件」を真に身につけようとしているのか、今一度、我々は自らに問う必要があります。
一時的な流行(Fad=ファッド)に流されて、本来のトレンド(時代の潮流)を見失っている方々を多くお見受けしますが、本気で原点回帰を目指さなければ、我々中小企業は生き残れない時代になったのです。
恐ろしいほどの時代の激変は6年ほど前から進んでおり、安直な考え方で経営して準備を怠り、真剣に学ばなければ、相当数の我々日創研経営研究会の仲間が破たんに追い込まれるでしょう。
日頃からお世話になってばかりいるにも関わらず、礼を失したことを申し上げますが、恩人でもある皆様方の繁栄を祈る気持ちは年を重ねるごとに強くなっています。「中小企業の活性化」に人生を賭けていこう、ビジョンである会員企業様100%の実現を目指してさらに努力をして行こうと、決意を新たにしています。
今こそコア・コンピタンス経営を実践し、経営革新(イノベーション)を促進しなければ手遅れになります。

TTコースのファシリテーター、業績アップ上級コースのアドバイザー、業績アップ6か月研修のアドバイザー、マネジメント養成6か月コースのディレクター、企業内マネジメントコーチング6か月プログラムのサポーターなど、各地会長・事務局長・本部役員を兼務して頂きました皆様には、こうした時代の流れを汲み取って頂けていると思います。今後とも危機感を共有し、時代の激変に警鐘を鳴らして会員の皆様方にご啓蒙頂きたく思います。
30代前半、何とか世に出ようと必死に努力していた時、論語の里仁第四(りじんだいよん)「子(し)曰(のたまわく)わく、位(くらい)無(な)きを患(うれ)えず、立(た)つ所以(ゆえん)を患(うれ)う。己(おのれ)を知(し)る莫(な)きを患(うれ)えず、知(し)らるべきを爲(な)すを求むるなり。」の言葉に出会いました。
伊與田覚先生は「地位のないのを気にするよりも、なぜ地位が得られないかを考えるがよい。自分を認めてくれないことを気にするよりも、どうすれば認められるかを考えて努力することだ」と訳しておられますが、必死にもがいていた時だけに今でも思い出して涙することがあります。
貧しく、夢も希望もなかった10代後半、心を癒すために必死に勉強しました。その時の山本有三氏の「路傍の石」の一節を思い出します。上の学校に行けなくて自棄を起こした主人公に、担任の次野先生が切々と訴える場面です。
「中学に行けないくらいのことで、そんな考えをおこす奴があるか。そんなちっぽけなことじゃ、決して大きな人間にはなれやしない。愛川、お前は自分の名前の意味を考えたことがあるか。吾一というのは、われは一人なり、われはこの世の中にひとりしかいないという意味だ。 世界に何億人の人間がいるかもしれないが、愛川吾一は世界中にたったひとりしかいない。人間は一度死んだらそれっきりだ。愛川吾一がひとりしかいないように、一生も一度しかないのだ。人生は死ぬことじゃない。生きることだ。これからのものは、何よりも生きなくてはいけない。たったひとりしかいない自分を、たった一度しかない一生を、本当に輝かしださなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか」

路傍の石とは、道端転がっている小さな石のことです。しかし、そんな石にもそれなりの魂があるのです。路傍の石の精神を忘れることなく、本年度方針を、「原点回帰・経営革新のためにコア・コンピタンス経営を急げ」―ありがとう経営・真の80%黒字経営の実践―を掲げて参りたいと思います。変わらぬご支援とご指導をよろしくお願いします。

1)
2020年度の日本のプライマリーバランス(基礎的財政収支)が、8兆2,000億円のマイナスとなる見通しです。安倍政権も必死に日本の国の舵取りをされていますが、世界経済の緩やかな成長と、インバウンドブームのお陰であり、国内の個人消費はほとんど伸びていません。それにもかかわらず、どの企業も人手不足が続き、せっかくのビジネスチャンスを逸する会員も存在します。予想もできないような新テクノロジーの進歩で、我々のビジネスそのものが淘汰されていくことが予想されます。 デコンストラクション(事業破壊)がどんどん進み、オンライン企業の  アマゾンが、リアル店舗の「ホールフーズ」を1兆5,000億円で買収したことは、今後の既存企業の危うさを象徴する出来事で、「いよいよ来たな」という、強い危機感を覚えます。
社会そのものの変化は今までにないものであり、イノベーションを果たした強い企業の寡占化はさらに進むものと思われます。早急に①自助努力の精神の回復。②人財育成の強化。③経営理念の浸透と貢献先目標の決定。④コア・コンピタンス経営の確立。⑤ビジネスモデルや商品のイノベーション。この5項目の実践を急がなければなりません。日創研経営研究会も、運営にばかりに時間を取られるのではなく、組織そのものをイノベーショ   ンして、早急に「企業経営を学ぶための日創研経営研究会」の設立の念(おも)いに戻らなければなりません。
特に、公式教材の月刊『理念と経営』も、経営革新に熱心な企業の事例を取り上げ、さらに参考になるべく努力してまいります。単に本を読むだけではなく、事例企業などの分析をして、ビジネスモデルの討論もしていかなければと考えています。
これからは、社長一人が努力しても、幹部や現場の「人間力・考える力・仕事力・感謝力」を磨かなければ、自社のビジネスモデルのイノベーションは果たせません。三位一体論を徹底して議論し、今こそ日創研経営研究会の発足の趣旨に返る時です。
「有名無力」という言葉があります。様々な会がある中、企業経営を放置して赤字にしながら、講演では有名な方が登壇しているという本末転倒の会が存在する中で、日創研経営研究会はそうした愚かな会にしてはならないと思います。我々の真の目的は、企業経営を通して社会の役に立ち、新しい商品やサービスあるいは技術で貢献しなければなりません。
2018年度は、本部役員と本部レクチャラーは、全員黒字を要件にして組織化しましたが、各地会長や事務局長も、もし業績が悪化したり赤字であるならば潔く断って、まずは自社の業績を安定させることが先だと思います。基本である本業の経営革新を放置したり、表面的な「テクニック」だけで経営できる時代ではなくなりました。経営の基本(社長力・管理力・現場力の三位一体)を愚直に習慣化する努力をよろしくお願いします。
日本企業の内部留保は2015年度は377兆円と、前年比32兆円も増えたと言われています。しかし、大手企業は、第二の東芝予備軍が多く存在するとも言われており、日本を代表するリコーや三菱重工業、その他の大手企業も大きな革新を求められているのです。その煽りで下請け体質にある我々中小企業へのコスト削減圧力はさらに強まり、そうでない小売業や外食産業などは、さらに「最低賃金」の高騰で経営は厳しくなるでしょう。
中小零細企業の大部分は真に経営を学ぶことをせず、自社の現実や足元を見ることをせず、会の仲間たちと一緒にいると、なぜか勉強した気持ちになり、浮足立った高遠な理想を掲げては、より一層現実遊離の経営から脱していません。「論語」や朱子の「近思録」では、篤志・博学・切問・近思と述べています。高い志も大事であり、博(ひろ)く学ぶ例会で講演を聞いただけで学んだつもりになっています。危機感が希薄で、変化の激しい時代認識の欠如を強く感じるのは私だけではなく、同じ日創研経営研究会の会員のメールからでも感じ取ることが出来ます。
私は各地経営研究会の「憩いの場化」の懸念を、2017年度の方針で警鐘を鳴らしました。お陰様で、例会後の懇談会をアルコール抜きにして、本来の講師との真剣なディスカッションに切り替えて下さったところも見受けられます。これが日創研経営研究会の本来あるべき姿だと思います。
2017年度方針の中でも、「社長も幹部も3年先・5年先・10年先を見つめて、そのための準備をしなくてはならない」「中小零細企業は必死でビジネスモデルを変えないと、どんどん廃業に追いこまれ、急速に減少します」「あまりにも近視眼的になっており、目先の順逆に一喜一憂して惑わされている」とお伝えしました。再度「勉強の苦しみは一瞬だが、勉強しなかった苦しみは一生続く」の言葉を思い出し、学ぶこと、成長発展すること、永続することなど、本来の企業経営に熱心でない人は、入会をお断り頂くとか、もっと徹底して経営の学びを強く啓蒙する事が大事だと思います。
日創研経営研究会は、日創研の研修を受け終わった方々の学ぶ場を各地でつくり、継続していかなければ、真の「中小企業の活性化」はないと、日創研の創業8年目に志を立て、志に賛同頂いた方々と議論しながら設立したものです。2018年度の全国大会in北九州の大会テーマは「イノベーション・経営革新への挑戦!」ですので、実に時代を的確に捉えた大会であると思います。

2)
日創研経営研究会の方針「真の80%黒字経営の実践」を実現するには、全員が学ばずして実現することはできません。社員さんやその家族も路頭に迷わすことになります。実際、そうした事が現実に起こっています。
今後、我々中小企業を取り巻く外部環境の予測をするにつけ、ぜひ、本部会長方針を信じて頂き、自社のため、家族のためにも、事前の一策として準備しておいて頂きたく思います。我々中小企業は、経営資源の量も質も低いです。まるで勝者のような振る舞いを慎み、もっと弱者意識をもって、真に強者になるべく備えて頂きたいと思います。日創研経営研究会は、組織運営につい時間を取られ過ぎて、「経営の絶対時間」が不足しているところにあります。是非、効率的な組織運営を心掛けながら、学ぶ時間を優先させ、真の80%黒字経営の実践に向けて真剣に学びましょう。

3)
なぜ、中小零細企業の利益率が悪いのか。毎年、組織活性化委員会が業績アンケートを取っていますが、黒字と言いながら黒字額はほんの少しという実態もあります。私の本部会長としてのリーダーシップ不足が最大の原因ですが、各地会長や事務局長は、①本部会長方針②日創研経営研究会設立の目的とあるべき姿を共有して頂き、徹底して啓蒙をお願いします。 本部役員だけではなく、各地経営研究会の会長や事務局長も、①自分の理想とする会社は何かを真剣に問い、②真剣に自らが模範となって本部研修で学び、③地域で模範となる日創研経営研究会をつくって会員の方々を導いて下さい。
人は挑戦するべき理想がなければ成長しません。日創研経営研究会のまさしく共通の価値観である可能思考研修を思い出し、
①どんな会社にしたいのか?
②どんな自分になりたいのか?
③どんな人財を育成したいのか?
④どんな社風にしたいのか?
⑤どのようなリーダー(社長)とフォロワー(幹部)の関係を作りたいのか
⑥どう業績を上げたいのか、

初心に戻って自分に問いかけ自社の現実を 真剣に問い直してみてください。
繰り返しますが、人は挑戦するべき理想がなければ成長しません。
浜松経営研究会には、トヨタ自動車のティア1メーカー「ソミック石川」の石川社長が会員として継続されているだけではなく、幹部の方が経営研究会活動にご努力を頂いています。平松初代会長もご尽力を頂き、会員様も地域に影響力をお持ちの方々にご入会頂いています。その他、日創研経営研究会の強みは「素晴らしい経営」をされている方々が多いということです。しかし、今のままだと、「立派な会社の方々」は、日創研経営研究会を去られるのではないかというのが、私の偽らざる心境です。

4)
働き方改革は、プラスに働く企業もありますが、実際に対応が出来なくて苦しんでおられるところが多くあります。やはり「一人当たりの生産性」を上げる努力を欠かしてはいけません。魅力なき会社に人は集まらず、労務面での破綻が危惧されます。まさに、経営革新はいつの時代でも必要なことであり、松下幸之助翁も「月給が仮に10万円だとしたら、最低でも30万円の働きをしてほしい」と断言しています。
日本生産性本部が毎年実施している、新入社員「働くことの意識」の  2017年度の調査結果では、「人並み以上に働きたいか」の質問に対して「人並みで十分」と答えた人が57.6%と、調査開始以来最高だった昨年からわずかながら低下しました。
中小企業では、経営者や幹部さん自身が「人並みで十分」意識が強いような気がします。こんな会社にするぞという執念もなく、働く人たちが心から誇れる企業にするぞという熱意もなく、創業の精神を忘れた安易な経営者像が日創研経営研究会でも浮き彫りになっています。もう一度、原点回帰して、生産性の向上を目指さなくてはなりません。
今後、生産性を高めるには、「社長力・管理力・現場力の三位一体」が重要であり、幹部や社員の経営意識を磨かなければならないのです。「お金は儲けたいが勉強は嫌いな会社」は、これから赤字で苦しむ企業になり下がるのです。経営に関するボキャブラリーが知的生産性を高め、その熱意が知恵や創造性を生みだし、付加価値経営や差別化やコア・コンピタンス経営に結びついてくるのです。

5)
中小零細企業数の減少も大きな問題です。1986年度は535.1万社あった我が国の企業数は、2009年度は、421万社にまで減少し、2014年度が382万社にまで減少し続けています。特に日創研経営研究会に所属する方々の中でも、今後は企業規模の小さな会社の退会や廃業などが目立ってくるのではと心配しています。小規模事業者(生業・家業)の減少は加速度的に多くなっており、2009年度の小規模事業者は全企業の中で366万社と全体の87%、2014年度は325万社で全体の85.1%でした。廃業や破たんは小規模事業者がほとんどなのです。
日創研経営研究会内では、黒字企業80%の方針を掲げ続けた結果、 こうした現象は起こっていませんが、マクロ的には人口減少に伴い、今後も二極化が進むことはほぼ間違いありません。業績悪化は我々経営者にとって不幸の元凶をつくるのです。

6)
人財育成が重要だということは、皆さん理論理屈では理解されていると思います。しかし、具体的に人財育成に着手したときの不協和音を恐れ、目先の問題解決だけに捉われていることが多いのです。健全な経営をするには、安易に結果だけを求める戦略なき戦術に逃げるのではなく、経営理念に基づく戦略的視点が必要だと思います。

現場で働く社員さんが本気にならなければ、肝心の経営革新は挑めません。中小企業の経営者は、勉強嫌いな方が多いようで、実は成長の機会を創り出せていない経営者のリーダーシップに大きな課題があるのです。会社の役に立ちたい、社長に認められたいと願っている社員さんの本質を見抜けない、そんな人間観が出来上がってしまっています。
その事実に経営者が目を向け、①思考の質を高め、②関係の質を高め、
③行動の質を高めることで、④「結果の質」が生じるのです。
つまり、大きな経済変化を迎えるにあたり、社員さんと心を合わせ、自主的に会社の業績に力を集中して、共に心のベクトルを合わせる「マインドイノベーション」が経営革新の第一歩なのです。

皆様方のご協力で、温度差はあるものの少しずつ「13の徳目朝礼の意義」をご理解頂き、全国大会で確実に定着してきました。2018年度は北九州で行われる第8回13の徳目朝礼全国大会も、担当の本部副会長やありがとう経営推進・実践委員会のご提案を頂き、下記のような具体案も出て参りました。本部理事会で協議をしながら、さらに人財育成のための確実な大会にしていきたいと思います。

下記は、提案として出ている全国大会in北九州の13の徳目朝礼全国大会の一部素案です。「異業種の実務朝礼から学ぶ人財育成のポイント」「13の徳目朝礼の活用事例と成果発表」合計2時間を予定して、二部構成になっています。

第1部 会員企業による13の徳目朝礼 2社
第2部 全国ブロック代表 5単会(選手は、社内導入企業に限る)


7)
日本経済は、2020年の東京オリンピック開催までは何とか持ちこたえられても、それ以降は色々なテールリスクが存在します。
しかし、我々企業の存続は自己責任であり、今一度、「自分の城は自分で守る」気概を取り戻さなければならない時です。

今後生き残れる会社の条件は
①コア・コンピタンス経営を実践している会社
②イノベーションに着手し、ビジネスモデルを変革した会社
③そのために「経営感覚をもった人財」を育成している会社
④差別化された商品・技術・サービスを提供出来ている会社
⑤マーケティング機能をもち、ブランドを確立した会社


8)
今後、我々がさらに力を入れなければならないのは、経営者の「思考の質・関係の質・行動の質・結果の質」を高め、善循環させなければいけないということです。昨年、消極型リーダー、順応型リーダー、独裁型リーダー、実務型リーダー、模範的リーダーの5類型モデルを創りました。また、リーダーシップの取り方次第で、幹部や社員さんを含めたフォロワーのあり方が変わるともお伝えしています。消極型フォロワー、順応型フォロワー、孤立型フォロワー、実務型フォロワー、模範的フォロワーの特定はなく、リーダーシップの取り方次第なのです。経営革新は「健全なリーダーと健全なフォロワーの関係」で決まるのです。つまり、会員さんには何の罪もなく、リーダーの問題ということが出来ます。
2018年度の本部組織を組むとき、地域により大きな格差が生まれていることを痛感しました。本部会長の指導力の問題でもありますが、一人でも多くの模範的リーダー養成の促進をすすめていきたいと思います。

9)
2018年度は、組織活性化委員会を中心に、いかに退会者を防止出来るか、本部理事会を含めて真剣に協議していきたく思います。我々日創研経営研究会は、ここで学べば「会社が良くなる。業績が上がる」という強みを活かさなければなりません。学ばない人たちの組織ではなく、そういった人たちを啓蒙しつつ、学ぼうとしない会員さんには、あえて退会して頂くような前向きな文化の各地経営研究会にして頂きたく思います。
日創研経営研究会は、日創研の可能思考教育を受けた方々の受け皿として発足した会です。生業・家業で自己満足している方々には、地域に誇れる会社になるべく啓蒙して、小規模事業者的感覚から、未来に可能性を持って経営感覚に舵を切る立派な会社の集まりとして学びを強化して頂きたく思います。
日創研経営研究会として最も誇りとするのが、アイ・ケイ・ケイの金子社長です。佐賀県伊万里市(人口5万人弱)から全国に展開し、全店舗が黒字という驚異的なコア・コンピタンス経営を行なっておられます。東京証券取引所一部に上場されていることはすでにご存知の通りです。
このような企業が在籍されているということを誇りにし、立派な経営を されている企業に恥じない日創研経営研究会にしようではありませんか。

10)
うまくいかず、今後消えていく企業
①経営者に志・理念がない。
②人財育成を実践していない。
③新市場開拓をしていないだけでなく新商品開発も遅れている。
④社内がギクシャクとしており幹部が育っていない。
⑤付加価値を作れず価格競争に巻き込まれている。
⑥サービスが低下しているのに手を打っていない。
⑦顧客満足の意識が低い。
⑧社長幹部に危機感がなく学ぶ意欲がない。
⑨自己満足で認知脳が不足している。


つまり、外部環境の厳しさに、社内の意識がついてきていないことです。お客様から「ありがとう」を頂こうという意識が欠如している企業は、今後生き残ることは出来ず、ブロック長はじめ各地会長・事務局長には格段のご尽力を頂きたく思います。私は多くの方々から決算報告を頂く立場にあり、好調な業績の裏に、身を削る様な「コア・コンピタンス経営」の実践を痛感します。やはり、人を育て、お客様が喜ぶようなことに熱心な企業でなければ、もはや生き残りは難しい時代だと言えるのです。

11)
2018年度は次の5,000名への会員増強に向けての大きなステップの年と位置づけました。日創研経営研究会には、月刊『理念と経営』や「13の徳目朝礼」などの公式教材があり、素晴らしい業績を上げている本部レクチャラーの方々がたくさんいます。日創研経営研究会に入会すれば業績が良くなると言われるべく、さらに最善の努力をするべき時だと、同じ方針を掲げ続けています。しかし、未だその方針は一部の方々のみにしか浸透されていません。 再度、各地会長や本部役員の皆様方には、「『理念と経営・社内勉強会』並びに「13の徳目朝礼」100%導入も方針を、徹底してご啓蒙をお願いします。
その為にも、2018年度の具体的方針の一つとして、全国大会in岡山で開催した、「経営白熱教室」の例会開催を実施すべく、本部の組織活性化委員会の中に「経営白熱教室開催支援担当」を設置しました。各地会長・副会長・事務局長・歴代会長・本部役員ほかが、パネラーとコーディネーター役で地域経済の活性化・自社の経営戦略や未来像を徹底してディスカッションして頂きたく思います。

多くの会員は「強くて良い会社づくり」のために本部研修で学ばれていますが、そのフォローの意味でも、「経営への気づき」を促進するべく  「経営白熱教室」開催を具体的方針とします。
①経営方針の必要の理解度を高める
②価値体系化された経営理念の作成と浸透の必要性を説く
③業績を向上させるにはどうすべきか?お互いが経営白熱教室で学ぶ
④顧客満足経営の重要性と促進意欲を高める
⑤経営研究会活動と組織の活性化策


会員が全員参加の例会として、各地会長の腕の見せどころだと思います。ぜひ、歴代会長や監事の皆さんは、各地会長・副会長・事務局長を温かく見守り、初回ですから、失敗を当然として会員全員の自由なディスカッション例会にして下さると本部会長として光栄です。
本部の担当副会長・担当副委員長・各ブロック長・本部役員が様々な観点からサポートします。名解答が目的ではなく、地域経済や自分の会社をどうすべきか、会員さんの色々な生の声をお聞きし、三役(会長・副会長・事務局長)がフリーに本音を語る形態です。
また、公式教材活用委員会の例会では、月刊『理念と経営』を会員全員が上下の差なく、一人の経営者・幹部として「ビジネスモデル討論」をして、経営的視点に幅を広げて頂くようお願いします。「経営白熱教室」と同じように、自由な意見の交換をして、異業種の方々との意見の違いや、発想の違いなどで、大いに自分の考え方を伝えて頂きたいと思います。 真の経営者として幹部として「模範的リーダー」や「模範的フォロワー」になるためにも、ある面で異業種の方々との他流試合です。経営革新を しなければ、社員さんやその家族の生活を担うことは出来ません。
フリーディスカッションですから、模範解答を考える必要はありません。間違ってもいいから自由に自分の考えを述べるだけです。お互いがディスカッションすることで、参考になるヒントが多く得られます。
何も難しく考えずに、月刊『理念と経営』を読み、一部の記事に対する質問を、自由にディスカッションしながら磨くことが大切なのです。年に一度の例会を月刊『理念と経営』を最大活用しながら、楽しんで頂きたく思います。
時間は皆さんにとっても大切です。どうか無駄に過ごすことがないよう、企業経営に熱意を持ち、きっちりと結果を作ることができる日創研経営研究会にして頂ければと切に願う次第です。
私は「無知は人生に壁をつくる」という本を出しました。無知とは「非理を理解出来ない状態」と解釈できると思います。道理に適わぬ経営は
やがて悲劇を生むのです。精神面に偏ることなく、物質面に偏ることなく、企業の成功や永続は「理念と経営」「論語とソロバン」「道徳と経済」の絶妙なバランスが産みだすことを理解頂きたく思います。

方針実現に向けての具体策
①会員5,000名に向けての準備と、各単会会員数50名実現に
向けての増強支援(室蘭経営研究会は12名から現在29名に拡大)
②全国大会in北九州の成功と「13の徳目朝礼全国大会」開催
(社内への「13の徳目朝礼」の100%導入)
③全国経営発表大会の開催
④可能思考研修未受講者の正会員化とTTコース参加促進
⑤ 本部レクチャラーの育成と各地経営研究会への派遣支援
⑥年に一度「経営白熱教室例会」の開催
⑦年に一度、公式教材を活用しての「月刊『理念と経営』ビジネスモデル
討論例会」の開催
⑧「理念と経営・社内勉強会」の社内への100%導入
⑨特別研修の開催

日創研経営研究会 本部会長 田舞徳太郎


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